産後の抜け毛の量の多さにびっくりしたというママさんは多いのではないでしょうか?
産後に発生する大量の抜け毛は出産を経験した女性におこる現象です。誰にでもおこるということを知らないと、自分は病気なのではないかと不安になりますよね。
また、いつまで抜け続けるのだろうかと心配になるかと思います。
今回は出産後に髪がたくさん抜けてしまう原因や仕組みをご説明すると共に、抜け毛がおこる期間や対策方法などをご紹介します。
産後の抜け毛の原因とは?いつからいつまで続くの?
出産後に起こる大量の抜け毛のことを「産後脱毛」または「分娩後脱毛症」と言います。
髪はある期間成長したら自然に抜けて、また新しい髪が生えてきます。このことを「ヘアサイクル(毛周期)」といい、健康な人でもヘアサイクルによって一日に100本前後は抜け落ちています。
産後はこれ以上の本数が抜けてしまいますが、誰にでもおこる症状なのであまり不安にならなくても大丈夫です。
この章では産後の抜け毛の原因と期間をご紹介します。
女性ホルモンのバランスの変化
産後の抜け毛は女性ホルモンのバランスが変化することでおこります。
女性の体にはエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが存在しており、髪の成長を促したり頭皮や髪に潤いを与えたりする働きをしています。
妊娠をするとエストロゲンの分泌が活発になるので、ホルモンバランスが崩れてしまいヘアサイクルも乱れてしまいます。
エストロゲンの作用によって成長期の期間が延びるので、一時的に抜け毛の量が減少します。そのため本来抜けるはずの髪が抜けない状態になってしまうのです。
しかし、出産が終わると分泌量は急激に減るので、妊娠中に抜ける予定だった髪が一気に抜けてしまうのです。
これが産後に髪がたくさん抜ける仕組みです。
産後の抜け毛は6ヶ月~1年程で治まる
産後の抜け毛はいつから始まりどれくらい続くのか気になるかと思います。
ホルモンバランスが整う期間には個人差があるので、いつからいつまでと断定することはできませんが、一般的には産後2~3ヶ月頃から抜け毛が目立つようになります。
そして、3~6ヶ月くらいがピークとなり、6ヶ月~1年くらいで落ち着いて妊娠前の状態に戻ると言われています。
出産後の生活習慣が影響することも
産後の抜け毛の原因で代表的なのは女性ホルモンですが、生活習慣が影響して抜けてしまうこともあります。
抜け毛があまりにも長く続く場合は以下のことが原因かもしれません。
ストレス
産後は慣れない育児や家事に追われるのでストレスを受けやすい状態です。
ストレスを受けると血行をコントロールする自律神経が乱れたり筋肉が緊張したりするので血管が収縮されます。
すると血流が悪くなってしまいます。頭皮や髪に必要な栄養や酸素は血管を通って届けられますが、血流が悪いと十分に届けられなくなるので髪は細くて弱々しく抜けやすい髪になってしまうのです。
また、髪はケラチンという成分でできているのですが、ストレスを受けるとケラチンを合成するために欠かせない「亜鉛」が大量に消費されます。
つまりケラチンを合成することができなくなるので、弱々しい髪になってしまうのです。
栄養不足
産後は子供を面倒を見るのに精いっぱいになって自分の食事が疎かになりがちなので、栄養不足なママさんが多いです。
栄養不足になると自律神経とホルモンのバランスが乱れるので血行不良になってしまいます。
また、妊娠前の体型に戻ろうとして過度な食事制限をする人も多いですが、栄養バランスが崩れてしまうのでゆっくり時間をかけてダイエットをしましょう。
頭皮や髪に負担がかかっている
頭皮や髪に負担がかかるとヘアサイクルが乱れてしまいます。
産後の頭皮は非常に敏感なので、以下のことをすると負担になってしまいます。
- パーマやカラーを頻繁に行う
- 髪をドライヤーで乾かさずに自然乾燥をしている
- 洗浄力が強いシャンプーを使用している
- 爪を立ててガリガリと掻きむしるように洗っている
- 洗浄不足・すすぎ不足
産後の抜け毛を抑える5つの対策方法
いつかは終わると分かっていても、毎日たくさん抜けていると不安になりますよね。
無駄な抜け毛を増やさないためにもしっかりと対策をしましょう。
ストレスを溜め込まない
ストレスが原因という場合は、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
育児や家事が要因ならば、家族で役割を分担したりベビーシッターにお願いしてみてください。
頻繁にお願いすることはできないと思うので、自宅でできるストレス解消方法をいくつかご紹介します。
- アロマ
- ストレッチ・ヨガ
- ハーブティーを飲む
- 誰かと会話をする
頭皮や髪に良い食べ物を摂取する
髪や頭皮に良い食べ物をバランス良く食べましょう。
一日三食しっかりと食べることが理想なのですが、忙しくて無理という方も中にはいると思います。そのような方はサプリメントで補給するといいでしょう。
頭皮環境を整える
頭皮環境を整えて健康な髪が生えやすい状態にしましょう。
産後の頭皮は敏感なので肌を優しく洗い上げるアミノ酸シャンプーや低刺激のシャンプーを使いましょう。
洗髪後に濡れたままにしておくと雑菌が繁殖して頭皮が炎症を起こしてしまう場合があるので、ドライヤーでしっかりと乾かすようにしてください。
また、育毛剤を付けても抜け毛を止めることはできませんが、頭皮環境を整えることはできるので是非使用してみてください。
女性用と男性用では少し違うので、必ず女性用に作られた育毛剤を使ってください。
睡眠時間を確保する
しっかりと睡眠をとって、ケラチンたんぱく質を作るために必要な成長ホルモンをたくさん分泌させましょう。
成長ホルモンは睡眠中に分泌が活発になります。22時~深夜2時の間は特に分泌量が多くなるので、この時間には熟睡していることが望ましいです。
夜泣きで起こされて睡眠時間を十分に確保できないという方も多いですよね。この機会にパパさんと話し合い日によって泣き止ませる係を決めてみてはいかがでしょうか?
ヘアスタイルを変えてみる
思い切って髪を切ると、抜け毛の量が少なく見えるのでストレスを軽減することができるかと思います。
また髪が短い分洗髪や乾かす時間が短くなるので、髪への負担を減らすことができます。
薄くなっている部分が恥ずかしいという方は、外出時に帽子やウィッグを被ることをオススメします。
産後の抜け毛は何科に行くべき?
普通の抜け毛なら薄毛治療専門の病院やクリニックをオススメしますが、産後の抜け毛の場合は産婦人科をオススメします。
産婦人科の医師は抜け毛にも詳しいので、良いアドバイスをしてもらえるでしょう。
女性ホルモンが原因でなかったら、どこの科へ行くべきか教えてくれると思います。
まとめ
なぜ産後に抜け毛が多くなるのか分かりましたか?
産後の抜け毛は女性ホルモンのバランスが関係しています。
妊娠中は女性ホルモンの分泌量が増えるので本来なら抜けるはずの髪が抜けない状態になります。そして出産が終わると分泌量が急激に減るため、妊娠中に抜けなかった髪が一気に抜けてしまうのです。
一般的には産後2~3ヶ月頃から抜け毛が目立つようになり、6ヶ月~1年ほどで治まると言われています。
産後の抜け毛は出産をしたママさん、誰にでもおこることなのであまり心配しすぎないようにしましょう。