子供の歯磨きをスムーズにする方法!乳歯の虫歯は永久歯に影響する?

オーラルケア

赤ちゃんや子供が歯磨きを嫌がって困った経験はありませんか?

ちゃんと歯磨きをしてあげたいけれど無理矢理するのは可哀想という葛藤がありますよね。

乳歯が虫歯になってしまうと、いずれ生え変わる永久歯へと悪影響を及ぼしてしまいます。

そのような事態を防ぐためにも、今回は子供が歯磨きを嫌がる理由や対策、年齢別の歯のお手入れ方法などをご紹介します。

 

 

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乳歯の虫歯は永久歯に悪影響を及ぼす

子供の歯は「乳歯」と呼ばれ、生後6ヶ月頃から生え始めて3歳前後で全ての歯が生え揃います。そして6歳頃から徐々に大人の歯である「永久歯」へと生え変わるのです。

1歳7ヶ月から2歳7ヶ月頃の子供は、大人と同じスプーンやコップを使って飲食したり、おもちゃなど何でも口の中に入れたりするので最も菌が感染しやすく、さらには歯磨きを嫌がる子供が多いので虫歯になりやすいと言われています。

「乳歯が虫歯になっても生え変わるから大丈夫」と安易な気持ちで虫歯になりやすい環境を受け入れてしまうと、以下のようなリスクが生じます。

 

永久歯の歯並びが悪くなる

乳歯が虫歯になり、まだ下に埋まっている永久歯が発育していない状態で抜けてしまうと、両隣の歯が傾いて永久歯が生えてくるスペースが狭くなります。その結果、将来的に歯並びが悪くなってしまうのです。

 

近隣の歯や今後生えてくる永久歯が虫歯になりやすくなる

虫歯を放置すると菌が増殖してしまい、近隣の歯に感染して虫歯になってしまいます。また、虫歯になった乳歯の下に埋まっている永久歯にも悪影響を及ぼし、色や形に異変が起こる場合があります。

 

偏食になって顎が発達しなくなる

虫歯によって歯が痛くなると、食事の際に硬いものや大きいものを避けてしまうため偏食になりやすいです。そうすると顎が十分に発達できず、噛む力が弱くなってしまいます。

 

このように、乳歯が虫歯になるといずれ生えてくる永久歯にまで悪影響を及ぼしたり、噛む力が十分に発達しなかったりするため、歯磨きは乳歯の頃からとても重要なのです。

子供が歯磨きを嫌がる理由と対策

歯磨きをしようとすると嫌がる、今までは普通に歯磨きをしていたのにある時から嫌がるようになったという子供は少なくはありません。

子供は「これが嫌」という理由を具体的な言葉にして伝えることが難しいため、その気持ちを汲み取れずに無理矢理歯磨きをしたり歯磨きをお休みしたりすることは多いのではないでしょうか。

そうするとなおさら歯磨きへの苦手意識が高まってしまう恐れがあります。

そうならないためにも、子供が歯磨きを嫌がる代表的な理由とその対策方法をご紹介します。

なぜ歯磨きを嫌がるのか?

1歳半頃から2歳前後の子供が突入するイヤイヤ期とは別で、子供が歯磨きを嫌がる理由は主に以下のような点があげられます。

 

歯ブラシの形ややわらかさが口に合わない

乳歯が生え揃う生後6ヶ月から3歳前後の子供は、歯の成長過程に伴っていない歯ブラシの大きさやブラシのやわらかさを使用していると、不快感や痛みを感じてしまうことがあります。

 

口の中に入ってくる歯ブラシの異物感が気持ち悪い

0歳から3歳頃の子供は何でも口の中に入れようとするため歯ブラシを口の中に入れることにはあまり抵抗しないかと思いますが、中にはブラシ部分のザラザラ感が気持ち悪くて歯磨きを嫌がる子供もいます。

 

口をずっと開けていることがつらい

歯磨き中はずっと口を開けないといけないので、唾液が溜まったり態勢が限られたりしてつらくなってしまう子供もいるようです。

 

歯磨きをするときのお父さんやお母さんが怖い

子供に歯磨きをさせないと虫歯になってしまう、歯ブラシを口にくわえたまま動くと危ない、ということから歯磨き中はついピリピリして子供を怒ったり押さえつけたりしてしまうお父さんやお母さんは多いのではないでしょうか。子供にとってはその行為が歯磨きへのモチベーションを下げてしまう原因となってしまいます。

 

楽しくない

子供は楽しそうなことや興味を引きつけるものに好奇心を持つため、ただ歯を磨くだけでは退屈して飽きてしまいます。

歯磨きを嫌がったときの対策方法

子供が歯磨きを嫌がったときは、以下の順番を意識して子供が楽しく気持ちよく歯磨きができるように対策しましょう。

 

① 歯磨きへの苦手意識を無くす

声掛けをしながら優しく丁寧に歯を磨いてあげたり、お父さんやお母さんが歯磨きをしている姿を見せてから一緒に歯磨きをしたりして歯磨きへの苦手意識を無くしてあげましょう。

また、子供の年齢に相応しい歯ブラシを使い、歯の成長過程に合った磨き方をするようにしましょう。(詳しくは3章でご紹介します)

 

② 歯磨きに興味を持ってもらう

歯磨きについての絵本やアニメなどを見せて興味を持ってもらいましょう。

また、歯磨きをしなかったら虫歯になってしまう、虫歯は怖いということを子供に分かりやすく教えることも大切です。

 

③ 歯磨きへのモチベーションを上げる

歯磨き中はなるべく怒らず、子供のモチベーションを上げるためにたくさん褒めてスキンシップをとるようにしましょう。

また、子供が好きなキャラクターものの歯ブラシを使ったり、歯磨きが終わったらシールなどのご褒美をあげたりすると歯を磨くことに意欲的になるかもしれません。

年齢別!子供の歯の正しいお手入れ方法

乳歯は生後6ヶ月頃から3歳前後で20本生え揃い、永久歯は6歳前後から12歳前後で32本生え揃います。

この時期は歯の成長段階に応じた歯のお手入れや歯磨きがとても重要なので、年齢別にご紹介します。

生後4ヶ月~6ヶ月頃

生後4ヶ月~6ヶ月頃の赤ちゃんは歯が生えていないため離乳食が始まっておらず、母乳や哺乳瓶のミルクを飲むのでまだ歯磨きをする必要はありません。

しかし、指やおもちゃ、衣類などを舐めたりしゃぶったりするので口の中を清潔にするためにも授乳後に白湯を飲ませたり濡れたガーゼで口の中を優しく拭いてあげたりしましょう。

生後6ヶ月~1歳頃

生後6ヶ月~1歳頃の赤ちゃんは上下の前歯が2本ずつ生えてきて、ペースト状の舌で潰せる程度の離乳食も始まっています。

歯磨きを始める時期ですが、よだれが多く出る時期でもあり唾液には自浄作用があるので丹念に歯磨きをする必要はありません。

歯が生え始める時期は歯茎がムズムズして敏感なので、最初から普通の子供用歯ブラシをくわえさせると触感に慣れず歯磨きを嫌がる可能性があります。

歯や歯茎に何かが触れる感覚を覚えさせるためにも、食後に抱っこをしながら濡れたガーゼや綿棒で歯や歯茎を拭いてあげ、慣れてきたら赤ちゃん用のシリコンでできた歯ブラシでトレーニングを始めると良いでしょう。

1歳~3歳頃

1歳~3歳頃の子供は20本の乳歯が生え揃い、固形物の離乳食や大人と同じものを少しずつ食べ始めます。

また、たくさん歩き始める時期なのでおもちゃや気になった物を何でも口の中に入れてしまい、菌が感染して虫歯になりやすいのです。

歯磨きをする際は歩くと危険なので必ず座らせ、子供用のやわらかい歯ブラシを持たせて自分で歯磨きをさせてみましょう。

磨くといってもこの時期の子供は歯ブラシを噛む・ただ動かすという動作が多いので、最後は必ずお父さんやお母さんが膝枕をして仕上げ磨きをしてあげましょう。

3歳~6歳頃

3歳~6歳頃の子供は大人と同じものを食べて、歯磨きも日常の一環として行います。

握力や手の力が付いてくる時期なので、強い力で歯を磨いて歯や歯茎にダメージを与えてしまわないように子供用のやわらかい歯ブラシを使用させましょう。

また、大人の言葉も理解できる年齢なので、今までは何気なくしていた歯磨きも「上の歯・下の歯・奥の歯・歯の裏」など声掛けをしながら磨き方を教えてあげ、「歯磨きで歯をキレイにする」という意識を持たせましょう。

就学前に自分でしっかり磨けるように教えてあげることが大事ですが、磨き残しをしてしまうと虫歯に繋がるので、お父さんやお母さんの仕上げ磨きや確認が必要です。

6歳~12歳頃

6歳~12歳頃の子供は乳歯が抜けて永久歯が生え揃う時期です。

永久歯は乳歯よりも厚みが約2倍になりとても丈夫に成長しますが、生えてからの約2~3年はまだ弱いので虫歯になりやすいです。

そのため、歯磨きを怠ったり不健康な食事をしたりすると虫歯になって歯が溶けたり変色したりしてしまうので、食事は必ず丁寧な歯磨きが必要です。

また、永久歯は象牙質(歯の内部)とエナメル質(歯の表面)で構成されていますが、歯を強く磨いてしまうとエナメル質に傷が付いて菌や着色成分が沈着し、虫歯や歯の黄ばみへと繋がるのでやわらかい歯ブラシを持たせましょう。

歯磨き以外で歯を健康に保つ方法

子供の歯を守るために歯磨きをすることはとても大切ですが、歯磨きをするだけでは強い歯へと成長させることは出来ません。

これからご紹介する歯の栄養となる食事や歯質を強化するフッ素を日常的に取り入れて、丈夫で健康な歯へと成長させましょう。

歯の栄養となる食事

お菓子やジュース(炭酸飲料や糖分の多い飲料)がメインになったり、偏食(特定のものだけを好んで食べること)をしたりすると、栄養不足になり歯や骨が弱くなってしまいます。

強い歯へと成長させるためにも、以下の6つの栄養素をバランスよく摂ることが大切です。

フッ素で歯質を強化

フッ素とは自然界に存在する元素のひとつで、歯質の強化やさまざまな口内トラブルの予防に特化しているため、歯を丈夫で健康にすると言われています。

フッ素には、歯磨き後にフッ素液体を口に含んでうがいをするタイプや歯科医院で歯にフッ素を塗布してもらうタイプ、フッ素配合の歯磨き粉などの種類があります。

歯磨き粉は子供のうちから使う必要はありませんが、歯磨き後にしっかりと口をゆすいで「がらがら、ぺっ」が出来るようになったら使い始めても問題ありません。

フッ素は以下の3つの働きをします。

 

歯をコーティングして守る

フッ素が歯をコーティングしてバリアのような力を発揮することによって、菌や着色成分、外部の刺激から歯を守り、以下のような予防をすることが出来ます。

  • 虫歯予防
  • ステイン予防
  • 知覚過敏の抑制

 

歯垢の付着を抑制する

フッ素には歯垢(細菌の塊)の付着を抑制する作用があるため、歯垢が原因となって発生する口内トラブルを予防することが出来ます。

  • 口臭予防
  • 歯石予防
  • 歯周病予防

 

歯の再石灰化を促す

再石灰化とは、酸性の飲食物や細菌によって溶けてしまった歯のミネラルを唾液に含まれるミネラルが補い、歯が解けるのを阻止する働きのことを言います。

フッ素には再石灰化を促す働きがあり、歯は再石灰化を起こすことで歯質が強化されて丈夫な歯を保つことが出来ます。

まとめ

乳歯は生後6ヶ月頃から生え始めて、3歳前後で生え揃います。そして6歳頃から永久歯へと生え変わります。

乳歯はいずれ抜けるので虫歯になっても問題ないと思われがちですが、乳歯の虫歯は以下のような悪影響を及ぼすため乳歯の頃からしっかりと歯磨きをしましょう。

  • 永久歯の歯並びが悪くなる
  • 近隣の歯や今後生えてくる永久歯が虫歯になりやすくなる
  • 偏食になって顎が発達しなくなる

赤ちゃんや子供は歯磨きを嫌がることがあるので、その理由をしっかり汲み取り歯磨きに意欲的になれるような対策をしましょう。

また、歯磨きだけでなく栄養バランスの摂れた食事や歯質を強化するフッ素を日常的に取り入れて、健康で丈夫な歯へと成長させましょう。

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