トイレトレーニングをいつから始めようかと考えているご家庭は多いのではないでしょうか?
「2歳になったら始めよう」と年齢で決める親御さんもいますが、子供の成長には個人差があるため年齢を目安にすることはあまりオススメできません。
トイレトレーニングは身体の発達と多少の理解力が必要になるので、心身の発達がある基準に達したのを目安に開始したほうが進めやすいのです。
今回はトイレトレーニングを始めるタイミングとその進め方を詳しくご説明するとともに、円滑に進めていくためのコツをご紹介します。
トイレトレーニングを始めるタイミング
トイレトレーニングは子供の心身がある程度発達してから始めるのが最適なので、以下のことができるようになったら開始するといいでしょう。
- おしっこの間隔が2時間以上空くようになった
- ひとりでトイレまで歩いて行ける
- おまるや補助便座に正しい姿勢で座ることができる
- 「おいで」「~とって」などの簡単な言葉を理解して行動することができる
- 「うん」「イヤ」などの簡単な言葉で意思表示ができる
これらの合図が見られる年齢は1歳~3歳と幅広いです。子供の成長には個人差があるので成長の早い子供と比較して焦る必要はありません。
1歳~3歳頃の子供で保育園に通っている場合は、保育園側から「そろそろ始めてみましょう」という声が掛かることもあるので保育士さんと協力しながら進めていくといいでしょう。
一方で幼稚園に通わせる予定がある場合、「入園までにトイレで排泄ができるように」と言われることがありますが、入園までに間に合わない時は幼稚園側と協力しながらトイレトレーニングを進めることもできるので安心してください。
また、トイレトレーニングは寒い時期より暖かい時期の方が進めやすいです。
秋冬は衣類が厚手になるので子供がひとりで着脱をするのに時間が掛かりトイレ目前で失敗してしまったり、洗濯時のかさばりや乾きにくさによって家事に手間が掛かったりしてしまいます。
春夏は衣類が薄手になる分、着脱がスムーズにできたり洗濯物がすぐに乾いたりするのでトイレトレーニングを進めやすいのです。
しかし、子供の成長を見て秋冬辺りにトイレトレーニングを始めてもよさそうだと感じたら、季節問わずトイレトレーニングを開始しても問題ありません。
トイレトレーニングの進め方には段階があるので、次の章で詳しくご説明します。
トイレトレーニングの進め方
トイレトレーニングを始める前の子供は常におむつを履いて生活しており、普段トイレに行く機会がないのでトイレという存在や排泄をする場所ということを知りません。
そのため、トイレトレーニングをする際はまずトイレについて知ってもらうことから始めましょう。そして最終的には子供ひとりの力で以下の順序ができるようになることを目標に、段階を踏んで進めていくことが大切です。
|
また、トイレトレーニングに失敗は付き物なので、たくさん失敗をするからとママやパパが焦ったりイライラしたりしないようにしましょう。
この章ではトイレトレーニングの進め方をステップ1~6に分けて詳しくご紹介します。
【ステップ1】トイレのことを知り興味を持つ
ステップ1では子供にトイレという存在やどのようなことをする場所なのかを教えて、トイレに興味をもってもらうことを目標にトイレトレーニングを始めましょう。
何も知らない状態でいきなりトイレに座らせようとすると嫌がったり恐怖心を覚えたりするので、最初はトイレに関する絵本やアニメ、動画などを見せて子供の興味を惹きつけましょう。
近頃はトイレトレーニング用の絵本やアニメがたくさんあり、中には専用のアプリも開発されているのでさまざまなものを試してみることをオススメします。
また、これらの絵本やアニメには「おしっこ」や「うんち」などのトイレに関する言葉がたくさん出てくるので、おむつを交換する際に「おしっこたくさん出たね」「うんちが出たから綺麗にしようね」といった声掛けを積極的にして現実と結びつけられるようにしましょう。
子供がトイレに興味を示したり、おしっこやうんちなどの言葉に嬉し気に反応したりしたら次のステップに移りましょう。
【ステップ2】トイレに座ることに慣れる
ステップ2の目標は実際のトイレに慣れることです。
子供がトイレに対して苦手意識を持たないようにトイレは常に明るく清潔であることを心掛け、子供が好きなキャラクターや色合いで飾り付けするといいでしょう。
実際のトイレに興味を示し、嫌がる様子がなかったら便座(おまるや補助便座)に座らせてみましょう。(※おまるや補助便座については次章でお話しします)
多少の恐怖心がある場合は、ママやパパ、兄姉がトイレに座っている姿を見せてから子供を誘導してみるのもいいかもしれません。
それでも嫌がる場合はもう一度ステップ1に戻り、トイレへの苦手意識を無くすところから始めましょう。
【ステップ3】トイレに行くことを習慣付けて、トイレでおしっこが出せるようになる
ステップ3では一日の中で定期的にトイレに行くことを習慣付けて、トイレでおしっこが出せるようになることを目標にしましょう。
トイレに抵抗なく座れるようになったら、おしっこが出る出ない関わらず起床後や食後、帰宅後、睡眠前などの生活リズムの区切りとなる場面で定期的にトイレに座らせることを習慣付けてあげましょう。
子供のおしっこが出る間隔やタイミングをこまめにチェックして把握しておくことで、トイレでおしっこが出る確率をより上げることができます。
タイミング合ってトイレでおしっこが出たときは子供と一緒に確認をして、たくさん褒めてあげてください。
【ステップ4】トレーニングパンツに慣れる
トイレでのおしっこが時々成功するようになりおむつがあまり濡れなくなったら、最初は30分前後で大丈夫なのでトレーニングパンツに切り替えてみましょう。
最初は履き心地に慣れずに失敗をすることがよくあるので、ステップ4ではトレーニングパンツに慣れることを目標にしましょう。
トレーニングパンツに慣れて少しずつ失敗も減ってきたら、日中にトレーニングパンツを履いて過ごす時間を徐々に伸ばしていきましょう。
【ステップ5】自分から「おしっこ」と伝えられるようになる
今まではママやパパが子供をトイレに誘導していましたが、ステップ5では子供の方から「おしっこ」と伝えられるようになることを目標にしましょう。
そのためには、まず「おしっこ行こうね」「うん」という誘導ラリーから「おしっこ大丈夫?」「行く」という子供の感情を引き出すラリーになるように変えていきましょう。
たまに「行かない」と言って遊びを優先させてしまう子供もいますが、その際は面倒くさがらずにあえて失敗させてあげましょう。トレーニングパンツはおむつのようにおしっこを吸収してくれないので、失敗をした時のおしっこが足につたったり衣類が濡れたりなどの不快感から「行けばよかった」という感情になる子供もいます。
子供が「おしっこに行く」という判断をした場合はとにかく褒めて、「行かない」と言って失敗をした場合は叱らずに「さっき行けばよかったね、次は濡れちゃう前にトイレ行こうね」と感情に寄り添ってあげましょう。
成長には個人差がありますが、そのうち子供の方から「おしっこ」と伝えてきたりトイレに歩いていくなどのサインが見えてくるはずです。
また、日中トレーニングパンツに全く失敗をしなくなったら普通のパンツに切り替えてもいいでしょう。普通のパンツになったら子供のモチベーションも上がるかと思います。
【ステップ6】全ての時間をパンツで過ごせるようになる
起きている間をパンツで過ごせるようになったら、ステップ6では睡眠中のおむつが外れて全ての時間をパンツで過ごせるようになることを目標にしましょう。
そのためには膀胱が睡眠中のおしっこを溜められるくらいの大きさに発達しないといけないので、身体が成長するのを待ちましょう。
朝起きておむつが濡れていない日が一週間ほど続いたらパンツに切り替えてもいいかもしれません。
パンツに切り替えてからおねしょが始まることもあるので、そうなってしまったら夜中のまだおねしょをしていない時間に起こしてトイレに連れて行ったり、もう一度おむつに戻してみたりと子供のペースに合わせて焦らさずゆっくりと進めてあげてください。
身体が発達したら、そのうちおねしょがなくなったり夜中に自分で起きて「トイレ」と伝えてきたりするでしょう。
このように、睡眠中も含めて全ての時間をパンツで過ごせるようになったらトイレトレーニングは完了です。
トイレトレーニングを円滑に進めるためのコツ
トイレトレーニングは子供がひとりでトイレに行けるようになるまで毎日続ける必要があるため、子供のやる気を損なわないようにモチベーションを上げる方法やママやパパがやりやすい方法で進めていくことが大切です。
この章では、トイレトレーニングを円滑に進めるためのコツをご紹介します。
おまると補助便座はどちらがいいの?
おまると補助便座のどちらを使用しようか迷う方は多いかと思います。
どちらを使用しても問題ありませんが、それぞれメリットとデメリットがあるのでご家庭で進めやすい方を選ぶといいでしょう。
物以外のご褒美でモチベーションを上げる
ご褒美としてお菓子やおもちゃを高頻度で与えてしまうと子供は物を貰うことが当たり前になってしまうので、なるべく物以外のご褒美を与えて子供のモチベーションを上げるようにしましょう。
遊んでいる途中にトイレへ行けたら褒めて抱きしめてあげる、トイレでおしっこが出たら台紙にご褒美シールを貼らせてあげるなどの方法がオススメです。
ご褒美シールが目標に達したりトイレトレーニングが大きくステップアップしたりした時のみ、子供の好きなものを与えたり子供が好きなキャラクターのパンツを買ってあげたりなどの何か特別なご褒美を用意すると子供のモチベーションはより上がるでしょう。
トイレトレーニングを一旦やめてみる
ママやパパの気持ちに余裕がなくなってきたりトイレトレーニングがなかなか前進しなかったりした場合は、トイレトレーニング自体を一旦やめてみることをオススメします。
トイレトレーニングを終えるまでにはある程度の期間が掛かるので、その間ママやパパは疲労やストレスが溜まってイライラすることもあるでしょう。
イライラがおもてに出てしまうと子供にとってはプレッシャーとなり、トイレトレーニングへのやる気が損なわれたり失敗が多くなったりしてしまいます。
そうすると、さらに余裕がなくなったり焦りが見えてきたりして負のループが続いてしまうので、一度トイレトレーニングのことは考えないでリフレッシュをしましょう。
数日から一週間ほど置いて再開したらトイレトレーニングが案外スムーズに進んだというご家庭も多いので、切羽詰まったら試してみてください。
まとめ
トイレトレーニングは子供の心身がある程度発達してから始めましょう。子供の成長には個人差があるので、年齢関係なく以下の成長を目安に開始するといいでしょう。
- おしっこの間隔が2時間以上空くようになった
- トイレにひとりで歩いて行ける
- トイレやおまるに正しい姿勢で座ることができる
- 「おいで」「~とって」などの簡単な言葉を理解して行動することができる
- 「うん」「イヤ」などの簡単な言葉で意思表示ができる
トイレトレーニングを始める際はいきなりトイレに座らせるのではなく、以下のようにステップを踏みながら子供のペースに合わせて進めていってください。
ステップ1:絵本やアニメでトイレのことを教えて興味を持たせる
ステップ2:トイレに座らせる ステップ3:トイレに行くことを習慣付けて、トイレでおしっこが出せるようになる ステップ4:トレーニングパンツに切り替えて、慣れる ステップ5:おしっこが出る前に尿意を伝えられるようになる ステップ6:睡眠中含めて全ての時間をパンツで過ごせるようになる |
トイレトレーニングにはある程度の期間が掛かり毎日続ける必要があるので、子供のやる気を損なわないようにモチベーションを上げながら進めていくことが大切です。
時にはママやパパも疲れが溜まってイライラしてしまうこともあるかと思いますが、子供の成長に期待感を持ちリフレッシュを挟みながら進めていってくださいね。