日差しが強い時期になると日焼け対策を入念にしている人が多いかと思いますが、髪の日焼け対策はどのようにしていますか?
実は髪に紫外線が当たると肌と同じ様に日焼けをしてしまうのです。
肌が日焼けをすると赤くなったりヒリヒリしたりしますが、髪の場合はダメージを受けてパサついてしまいます。
紫外線は髪に悪影響を及ぼしてしまうので、肌だけでなく髪の日焼け対策も入念にしましょう。
今回は紫外線による髪への影響をご説明すると共に、日焼け対策方法や日焼けをした場合の対処方法などをご紹介します。
日焼けによる髪への影響
体の中でも髪は太陽に最も近い位置にあるため腕や顔などよりも多く紫外線を浴びています。そのため、他の箇所よりも日焼けをしやすいのです。
肌と同じ様に日焼けをするので、対策をしていないと髪も紫外線によってダメージを受けてしまいます。
肌の場合は赤くなったりシミが増えたりしますが、髪の場合はどのようになってしまうのでしょうか?
髪が損傷する
紫外線を浴びすぎると髪が損傷してしまいます。
紫外線は肌に入り込む性質があるのですが、入り込むことで内部の細胞を傷つけます。
同じ様に髪にも入り込みます。髪は18種類のアミノ酸が結合したたんぱく質で構成されているので、紫外線が入り込むとアミノ酸が分解されます。
すると髪にダメージを与える「システイン酸」という成分が生成されるので、髪が損傷してしまうのです。
また、内部のシステイン結合(たんぱく質やアミノ酸が結びつき髪の強度を保っている構造)が破壊されると、髪の柔軟性が失われるため枝毛になりやすくなったり軽く引っ張るだけで簡単に切れてしまったりすることもあります。
髪が乾燥してパサつく
キューティクルがダメージを受けると髪が乾燥してパサついてしまいます。
キューティクルとは髪の表面を覆っている部分のことで、ホコリや紫外線などの外的刺激から髪を守る役割をしています。
目視では見えませんがウロコ状に重なっており、内部の栄養や水分が流れ出ないようにできています。
髪の内側には紫外線を吸収するメラニンが存在しているのである程度吸収することができますが、キューティクルにはメラニンが存在しないので紫外線によってダメージを受けやすくなります。
ダメージによってキューティクルが剥がれると、内部の栄養や水分が流れ出てしまいます。その結果乾燥してしまい、髪がパサついたりごわついたりするので手触りや見た目に影響してしまうのです。
髪色が変色してしまう
紫外線をたくさん浴びると髪色が変色してしまう場合があります。
私たちの髪色は内部に存在するメラニン色素によって作られていますが、紫外線はメラニン色素を分解する力を持っているので長時間浴びてしまうとメラニン色素が分解され減少してしまいます。
すると徐々に髪色が退色していき、赤みを帯びた色に変色してしまうのです。
また、ヘアカラー剤もメラニンを分解する力を持っているので、カラー後は通常よりもメラニン色素が少なくなります。髪を染めている人は紫外線のダメージを受けやすいので気を付けてください。
薄毛や抜け毛を招く
紫外線は髪だけでなく頭皮にも当たっています。
紫外線が頭皮に入り込み頭皮の下にある毛母細胞(毛根の先にある髪の成長に必要な細胞)を傷つけるとヘアサイクル(髪の成長や生まれ変わる周期)が乱れてしまいます。
ヘアサイクルが乱れると髪が早く抜け落ちてしまったり新しい髪が生えにくくなったりするので薄毛や抜け毛になる恐れがあります。
髪の日焼け対策方法
髪にダメージを与えないためにも、肌だけでなく髪の日焼け対策もしっかりとしましょう。
季節や気候によって量は変わりますが、紫外線は一年を通して降り注いでいるので夏だけではなく一年中行うようにしてください。
日焼け止めスプレー
髪にミルクやジェルタイプの日焼け止めを塗るとべたついてしまうので、スプレータイプの日焼け止めを振りかけましょう。
日焼け止めによってSPFとPAの値が異なります。この値が高いほど紫外線を防ぐことができますが、その分肌や髪に負担がかかるので肌トラブルを招きかねません。
髪を労わるためにも、場面によって使い分けるようにしましょう。
日焼け止めには紫外線を吸収して肌に届かないようにする「紫外線吸収剤」が使われているのですが、これは紫外線を吸収する際に微量ですが熱を発生するので髪の水分や栄養が奪われてしまう恐れがあります。
この現象を防ぐためにも日焼け止めを付ける前に髪全体に洗い流さないトリートメントを塗布しましょう。髪を覆うことで熱から守ることができます。
日焼け止めは汗などで落ちてしまうので、定期的に塗りなおしましょう。
帽子や日傘を使う
帽子や日傘を使い直射日光を防ぎましょう。
帽子はキャップを想像する人が多いかと思いますが、キャップはつばが前にしかないので後頭部や髪を守ることができません。
頭全体を守るためにはつばが広い帽子を選びましょう。
日傘には様々な色がありますが、内側がシルバーだと足元からの照り返しを跳ね返してしまいダメージを受ける場合があるので、内側が黒や紺などの暗い色のものを選ぶようにしてください。
髪をまとめる
ヘアアレンジをして紫外線が当たる範囲を少なくしましょう。
ポニーテールやお団子など髪を一つにまとめるヘアスタイルがオススメです。
髪が日焼けをした場合の対処方法
髪は死滅細胞なので一度ダメージを受けてしまうと修復することは不可能です。
だからと言って日焼けした状態のまま放置していると髪の状態が悪化してしまうので、日焼けをしてしまった場合の対処方法をご紹介します。
シャンプーやトリートメントでケアをする
日焼け後はシャンプーやトリートメントでケアをしましょう。
ダメージを受けた髪や頭皮は非常に敏感なので、洗浄力(汚れを落とす力)が強いものを使うと負担になる恐れがあります。これ以上負担をかけないためにも頭皮や髪を優しく洗い上げるアミノ酸シャンプーを使いましょう。
アミノ酸シャンプーの主成分に使用しているアミノ酸は髪と同じ成分なので髪や肌を優しく洗うことができると言われています。
また、トリートメントには髪の内部を補修する成分が含まれているので、塗布をしたら時間を置いて内部まで浸透させましょう。
ドライヤーで乾かす
髪が濡れるとキューティクルが開いてしまうので、洗髪後にドライヤーで乾かさずに放置していると髪の状態が悪化してしまいます。
キューティクルを閉じるためにも自然乾燥をせずにドライヤーでしっかりと乾かしましょう。
温風で乾かした後に冷風を当てて冷ますとキューティクルを引き締めることができます。
しかし、ドライヤーの熱で髪が傷んでしまう場合もあるので同じ個所に当て続けたり時間をかけて乾かしたりするのは止めましょう。
熱を当てる時間を短縮するためにも洗髪後はタオルで十分に水気を取りましょう。
海水浴をした場合はこまめに拭き取る
紫外線だけでなく海水も髪にダメージを与える要因となるので、海に行く際は注意しましょう。
海水には塩分や不純物がたくさん含まれているため浸透圧(濃度が違う水が隣合わせにあると、濃度を一定に保つために水分が移動する力)が生じます。すると、髪の水分が外に移動してしまうので髪が乾燥してしまうのです。
また、このような状態で紫外線を浴びてしまうと更にダメージを受けてしまいます。
髪への負担を少しでも減らすためにも、海水浴をしたらこまめに海水を拭き取ったり真水で洗い流したりしましょう。
頭皮を冷やす
頭皮が日焼けをすると赤くなりますが、これは炎症を起こしている状態なので日焼けをした部分を冷やして火照りを抑えましょう。
肌に直接氷を当てるとダメージを与えかねないので、氷のうや濡れタオルなどを使用しましょう。
まとめ
肌と同じ様に髪も日焼けをするということは分かりましたでしょうか?
日焼けをした髪は以下のような状態になります。
- 乾燥してパサつく
- 髪色が退色して赤みを帯びた色になる
- 薄毛や鵺毛を招く
この様な状態にならないためにも髪の紫外線対策をしましょう。
紫外線は日差しが強い夏だけでなく一年中降り注いでいるので、一年を通して紫外線対策をしてください。
対策をしていても日焼けをする場合があるので、その場合は髪のダメージを悪化させないためにもしっかりと対処しましょう。
肌だけでなく髪も日焼けをしないように注意しましょう。