歯がしみて痛い|知覚過敏の原因、自宅や歯科医院で行う治療法を紹介

オーラルケア

アイスクリームを食べたり冷たいジュースを飲んだりしたいけれど、知覚過敏なので我慢したという経験はありませんか?

歯や頭がズキズキと痛くなってしまうので知覚過敏じゃない人が羨ましいですよね。

そもそも知覚過敏は何が原因となって発症してしまうのでしょうか?

また、知覚過敏は発症していない人でも生活習慣の偏りによって知覚過敏を発症する可能性は高いので油断してはいけません。

今回は知覚過敏の原因について詳しくご説明するとともに、自宅や歯科医院でできる知覚過敏の治し方をご紹介します。

 

知覚過敏とは、冷たい・熱いといった刺激が「象牙質(ぞうげしつ)」に直接触れることによって歯や頭が瞬間的にズキズキと痛くなる現象のことを言います。

象牙質には歯髄(神経)へと繋がる「象牙細管(ぞうげさいかん)」という細い管が無数に通っており、刺激はこの象牙細管を通って歯髄へと送られます。

歯髄と脳は神経を通して繋がっているため、歯髄に到達した刺激を脳が感知することで頭にズキズキとした痛みが発生するのです。

知覚過敏の症状は、象牙質に以下のものが直接触れることで発生します。

  • 冷たいものや熱いもの、甘いもの
  • 硬いもの

しかし、象牙質は本来とても硬いエナメル質で覆われているので、象牙質がおもてに露出しない限りこれらの刺激が直接触れることはありません。

なぜ象牙質が露出してしまうのでしょうか?

知覚過敏になる5つの原因

歯の表面であるエナメル質は人間の体の中で最も硬い組織なのですが、歯や歯肉の病気、生活習慣の偏りなどによって穴が開いたりすり減ったりしてしまいます。

その結果、象牙質が露出して知覚過敏を惹き起こしてしまうのです。

この章ではエナメル質が脆くなり象牙質が露出してしまう原因を5つご紹介します。

酸性の飲食物を摂取することでエナメル質が溶ける

酸性の強い飲食物を多く摂取するとエナメル質は溶けてしまいます。

上図にあるpH値というのは物質が酸性かアルカリ性かを示す値のことで、pH値が1pH~5.5pHになるとエナメル質は溶けだしてしまいます。

エナメル質が溶けて象牙質が露出するのを防ぐためにも、以下の飲食物を摂取する際は量を控えるようにしましょう。

虫歯によってエナメル質に穴が開く

虫歯になると歯に穴が開いてしまうため、知覚過敏を惹き起こす可能性が高くなります。

虫歯の原因は歯垢(細菌の塊)の磨き残しです。

歯垢の中は酸性になっているため、歯磨きを怠ったり簡単に済ませたりして歯垢が残った状態が続くとエナメル質に穴が開いてしまうのです。これが虫歯の仕組みです。

虫歯が悪化して穴が象牙質まで到達すると知覚過敏を招いてしまいます。

歯ぎしりや歯磨きによってエナメル質がすり減る

歯ぎしりをするとエナメル質がすり減り、象牙質が露出してしまう場合があります。

歯ぎしりとは就寝中など無意識のうちに上下の歯をギリギリと磨り合わせている状態のことで、続けていると上図のようにエナメル質の上部分が真っ直ぐにすり減ってしまいます。

歯ぎしりを防止するためのマウスピースを作成してくれる歯科医院があるため、気になる方は調べてみるといいでしょう。

また、強い力で歯を磨くことでもエナメル質はすり減ってしまうので、優しい力で歯を磨くように心掛けましょう。

不注意によってエナメル質が破折する

歯を強く打ったり無理して硬いものを噛んだりすると、歯が破折してしまい象牙質が露出する恐れがあります。

破折した部分は詰め物や被せ物などで補うため、見た目に違和感が生じる場合もあります。

このようなリスクを負わないためにも、日頃から歯は大切にしましょう。

歯肉の退縮によって象牙質が露出する

歯肉は不衛生な状態が続いたり負荷がかかったりすると退縮してしまう傾向があります。

歯肉が退縮すると普段埋まっているはずの象牙質が剥き出しになり、知覚過敏を惹き起こしてしまうのです。

歯肉は以下の病気や生活習慣によって退縮する恐れがあるので気を付けましょう。

歯周病

歯周病とは、細菌や歯垢が歯周ポケット(歯と歯肉の間)で繁殖して炎症を起こすことによって歯や歯肉を衰えさせる病気のことです。

歯肉が赤紫に変色して退縮するだけでなく、ブラッシング時に炎症部分から血や膿が出るため口臭も伴います。

喫煙

煙草に含まれる一酸化炭素やニコチンといった有害物質は、以下のような悪影響を及ぼします。

  • 歯肉への酸素供給を妨害する
  • 歯肉の内部を通っている血管を収縮させる

歯肉の血流が悪くなると免疫力が低下してしまい、歯肉が衰えて象牙質が露出してしまうのです。

過度なブラッシング

歯磨きを長時間し続けたり強く磨きすぎたりすると、ブラシが歯肉を押して退縮を促してしまいます。

また、過度なブラッシングは歯肉を傷付けるため、炎症を招いて痛みを伴うことがあるので気を付けましょう。

加齢・ホルモンバランスの乱れ

年齢を重ねると歯肉は退縮していきます。

また、過労やストレス、女性の場合は整理や妊娠によってホルモンバランスが一時的に乱れると、歯肉が退縮する場合があります。

自宅で知覚過敏の症状を抑制する

知覚過敏は、以下の成分が配合された歯磨き粉を使用することで症状を抑制することができます。

  • 乳酸アルミニウム
  • 硝酸カリウム

これらの成分は、象牙質から歯髄にかけて通っている象牙細管を封鎖する働きがあるため、冷たい・熱いといった刺激を歯髄まで伝達しにくくしてくれるのです。

成分はパッケージの線分表に表記されているので確認してみてください。

歯磨き粉は数百円から購入することができ、自宅や職場でも手軽にケアできるためオススメです。

歯科医院で行う知覚過敏の治療方法

上述でご紹介した歯磨き粉を使用してもあまり効果を感じられなかったという方は、歯科医院で治療をしてもらいましょう。

薬剤を塗布してコーティングする

露出した象牙質に薬剤を塗布してコーティングをしてあげることで、症状を鎮めることができます。

使用する薬剤は歯科医院によって異なりますが、歯を丈夫にするフッ化物という成分を配合した薬剤、もしくは、レジン(樹脂)と呼ばれる歯科用セメントを塗布します。

しかしエナメル質のような頑丈さはなく、食事や歯磨きをするたびにコーティング剤がすり減ってしまうので数ヶ月ごとに塗布し直す必要があります。

この治療法の費用相場は、1歯一回につき約3,000円前後となります。

レーザー治療

レーザー治療とは露出した象牙質にレーザーをあてて症状を鎮める方法のことです。

歯に膜をつくって象牙細管を封鎖する効果があるため、歯髄に刺激が伝達されるのを防いでくれます。

また、出血や感染を起こしにくいので安心して受けることができます。

しかし一度の治療で半永久的な効果を得られるわけではないので、数ヶ月~数年経って知覚過敏が再発したら、再度レーザー治療を行うといいでしょう。

レーザー治療の費用相場は、1歯につき約2,000円前後となります。

まとめ

知覚過敏とは、象牙質に刺激となるものが直接触れて、その刺激が「 象牙質 ⇒ 歯髄 ⇒ 脳 」と伝達されることによって歯や頭が瞬間的にズキズキと痛くなる現象のことです。

以下のものが象牙質に直接触れることで知覚過敏は発生します。

  • 冷たいものや熱いもの、甘いもの
  • 硬いもの

 

知覚過敏を起こさないためにはエナメル質や歯肉を丈夫に保ち象牙質の露出を避ける必要がありますが、以下の状態になるとエナメル質や歯肉が脆くなって知覚過敏を招いてしまいます。

  • 酸性の飲食物を多く摂取することでエナメル質が溶ける
  • 虫歯によってエナメル質に穴が開く
  • 歯ぎしりや過度な歯磨きによってエナメル質がすり減る
  • 不注意によってエナメル質が破折する
  • 歯周病や喫煙によって歯肉が退縮して象牙質が露出する

 

知覚過敏は、乳酸アルミニウムや硝酸カリウムが配合された歯磨き粉を使うことで症状を抑制することができますが、効果がない方は歯科医院へ行ってコーティング剤の塗布やレーザー治療を施してもらいましょう。

 

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